瀬戸内 年無し釣行記

いやいや、土曜日の釣りの話。
ナベヤスさんからメール。

「週末、三平磯に行ってみようとおもうんですが・・・」

あの磯は、冬磯なんで、いまいかないほうがいいですよ~と
返事して、急に「皆でいくかなぁ・・・」と閃いた。

あれこれ、地元の名人に調査を入れて

倉橋マリン、笹子島ビーチなどをリストアップしたが
いまいち気が乗らない。
潮が行かないので、退屈だ。

あけぼの釣具川尻店へ行ってオジサンにお願いする。
柏島OKとなった。

まず一番手の劣る熊ちゃんは数の出る「西のスベリ」
そして、早瀬で釣れれば大丈夫だろうとナベヤスさんは「腰掛」

両方とも柏島ではいわずと知れた名磯だ。

西のスベリは、秋口などは数十枚釣れるし
GW明けに10~20枚の爆釣がなんどもあった場所だ。
型物はあまり出ないが、そこそこ食ってくるだろう。

腰掛は、まさに「あけぼの丸」の看板磯だ。
50アップも何枚も出ている。冬場特に良く
潮の流れは下げになると結構速い。

船頭さんは小潮で下ろしたがるが、潮が大きいほうが
型がいいと俺は思っている。

俺がいったところは、通称「タタキ」
最初は通称「広銀」というポイントに行こうかとも思ったのだけど

かめや釣具呉店で井坂店長が
「いま柏島と川尻の瀬戸、真鯛が釣れるらしいですよ」
と、いっていたのを聞いて「タタキ」に変更した。

このポイントも比較的真鯛が出るとは言われているんだけど
俺はここでチヌしか釣ったことは無い。

とはいえ、知り合いが「あそこでとんでもないのをバラしたことがある」
という話を聞いて、それ以来、何度も通っている。

実は、その昔、まだ年無しを釣った事がないとき
夢の中に、釣り仙人の様なジイサンがでてきて
「どこに行ったら年無し釣れますか??」
と聞いたところ、
杖の先からモヤモヤと霧が出てきて
その中に、この磯のイメージが出てきた、という夢を見た事がある。

そんなこんなで随分この場所には通ったものだが、
いつしか夢の場所を宇和島に移していた。

この数年、ノッコミ期は宇和島ばかり行き
ノッコミにあけぼの丸を使うのは
09年は、この土曜日が初
08年は1回
07年も1回
と、ほとんど状況音痴。
とはいえ柏島なら固いだろうと踏んでいた。

俺はあまり上黒島、下黒島はいかない。

まったく、でもないけど。
大抵、県民の浜周りか柏島。
さてさて、話を当日に戻そう。

とにかく、心配だったのは、熊ちゃん。

なんとか釣らせてやりたいが、一緒に降りると俺も釣り師の本能でどうしても釣ってしまう。
柏島は、けっこう2人でやるには潮も走るしね。

そんな感じで、心配しつつ、何度か電話してやったりしていた。

俺といえば、朝からコブダイ3連発。一発目をバラしたがあとの2匹は獲った。
チヌが釣れなかったら、貴重な動物性たんぱく質とするためにとりあえず確保。
毛嫌いする人も多いが、フライにすると実に淡白な白身でおいしいのだ。

あまり心配していなかったナベヤスさんだったが、頭上の木に仕掛けを引っ掛けるトラブルで苦戦していた。

そうだなぁ、護岸や波止で釣りしていたら、その手のトラブルはあまりないもんなぁ・・・
と思いつつ、自分も昔は苦労していたよなぁ、と思い出す。

俺は、遠投する場所以外では常にタスキ振り(で正しいのかな?サイドスローの事)、あわせや、やり取りもあまり竿は立てない。大きいときや状況にもよるけど。

それでもうっそうと茂った場所ではたまにトラブリュー、最初に注意してあげておくべきだったと猛省。

そうこうしていると、熊ちゃんから「釣れました」と報告が入る。
ひと安心。

まあ、ナベさんはほっといたら釣るだろうから、俺も釣ってないとカッコワルイな、などと思い、攻め方をちよっと変えた。

ちょっとエサトリが増えてきたのでマキエサの撒き方を変更。

依然、真鯛についても諦めはつかないので、流すラインは変えない、まあチヌも釣れるラインだし・・・

作戦通り、主のラインからエサトリが減ってきた、としばらくすると、全くエサトリがいなくなった。

「入ってきたな。」
と、エリアに真鯛か良型のチヌが入ってきたことを確信した。

中小型の場合は、これがあまり顕著には出ない。エサトリと交互でチヌがつれる。

エサトリが消えたときは大物のチャンスだ。ただこれは自然相手の事、絶対ではない。
ただ、その確立が高い、という事だ、釣りは確立を上げていく事がキモだ。

なんどか狙いのラインを流したとき、ウキが入った。

良型なら針はずれが怖い。少し、辛抱して余分な糸ふけを心を落ち着かせるように巻き取る。
そして、小さく鋭いアワセを入れる。

グンッという重量感はかなり充実したものだった。とはいえ、激流のど真ん中で掛けている。

大きさにたいする必要以上の意識は危険だ。コブダイの大型かもしれない。
釣りは、どんな釣りでも「姿見ず」のうちに焦ってはいけない。

あなたの周りにはいないかな?
「俺は、どんな大きい奴でも、よっぽどじゃないと糸を出したりしないぜ」
と強がっていう釣り人。

これは、フカセキング松田稔さんの影響だろうが、どっこい松田さんはラインメーカーの
テスターさん。糸の強さを測るために糸を出さない。

普通の釣り人は変なこだわりを捨て、掛けたら獲るを実践して欲しいものだ。

こういう事を書くのも、おれ自身、そういった挑発的な口車に乗せられ糸を出さない事にこだわり、これまで何匹もバラシテ来た、いたーい目を見ているからだ。

話を戻して・・・

今回は慎重に行こう、と決意した刹那、水深が浅い事もあり魚が跳ねた。
ギラっとシルバーメタリックの体を俺に見せ付けた。

一瞬ボラかな?と思わないでもなかったが、ロッドが俺に「チヌだぜ旦那!」と教えてくれる。
手前10メートルくらいに寄せる。ウキが見え、そして次にそのグラマラスでセクシーなボディを見せる。
「ここは宇和島か?」と錯覚する豊満な唇だった。

浮いてきて、何度か空気を吸わそうとするが、まだまだ、その女体は秘めたるパワーを発揮した。
手前の藻群、手前の牡蠣がびっしり張り付いた瀬に向って突進する。

あきらかに何度かそれで命拾いしている知恵を身につけているように見えた。
魚のサイズもパワーも、瀬戸内では初めて感じる大きさだったが、
なにせこっちには、両側をロープに挟まれたタイトなリングで
55オーバーと何度もやり取りしている経験がある。
自分でも驚くほど冷静だった。

うまくチヌを誘導し、一番危険が少ないエリアまで導く。
とはいえ、まだまだ近くにシモリは点在している。

「躊躇するな」というI丸さんの声が聞こえた気がした。
明確な師弟関係はないが、確かに氏のイズムを感じて釣りをしてきた自分を感じる。
ためらいもなく、海に入る。モモまで浸かった事で、危険な障害物は完全に回避できるポジション取りとなった。

一気にレディとの距離も近付き、まだ抵抗を見せていたその女傑をタモ網に納めた。

50センチギリギリくらいかなと思っていたが、港で測ると52.5センチあった。
課題としては、そのあとも2―3枚足したかったが、どうにも上手くない。

まだまだ精進が必要だと思った。

20090523210914

釣れないのも釣りなんだよね 2005年2月22日(火)

ドモドモ、黒鯛三平です。

さぶっ。
しかし2月も終わろうかというのに、いつまでも寒い。

でも去年は3月に大雪が降ったりしてなかなか暖かくならなかった気がします。

毎年毎年、春夏秋冬を繰り返して、やれ今年は暑かった、寒かったと、涼しかった、暖かかったと繰り返して、人生は過ぎていくのですね。

そして日々、オッサンになり、そして爺さんになるんですね。

ガキの顔を見ていたら、最近自分の子供の頃をよく思い出すんですよね。

今と比べると随分とアナログな時代だったけど、もう既に便利な時代だったんだよね。

携帯電話とかパソコンとかなかったけど、車も有ったしテレビもラジオも、電子レンジも、エアコンも有った。もちろん洗濯機や掃除機、水洗便所だってあったべ。

よくよく考えるとここ20年くらいは、生活の進歩なんて、ゲームとか、携帯とか、パソコンとか、無けりゃあ無くていいものくらいしか進歩してないねぇ。

釣りの世界もそう。やれVジョイントだ、最新カーボンだ、スルスル釣りだ、最強道糸だ、ハリスだって、何が何でも釣れる道具が開発されるけど、釣れないのも釣りなんだよね。

昔のグラスの磯竿とか笑っちゃうくらい太くて重くてって、でも昔はその竿で胸をときめかせていたんだろうにねぇ。

ではでは。。。